1、申告・納付等の期限の延長
・災害等の理由により申告・納付などをその期限までにできないときは、その理由のやんだ日から2カ月以内の範囲でその期限を延長することができる。
(1)地域指定による期限の延長
・被災地域が都道府県全部又は一部の広域にわたる場合、国税庁長官が職権で地域及び期日を指定して、期限を延長する。
(2)個別指定による期限の延長
・地域以外に納税地を有する納税者に、被災による家屋等の損害等個別の理由がある場合、税務署長等がその納税者からの申請に基づき、個別に期限を延長する。
2、納税の猶予
・災害により納税者が財産に相当の損失を受けた場合、納税者の申請に基づき税務署長等は、被害にあった財産の損失の状況及び当該財産の種類を勘案して期限を定めて納税を猶予することができる。
(1)損失を受けた日に納期限が到来していない国税
・損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税
⇒納期限から1年以内
・所得税の予定納税や法人税・消費税の中間申告分
⇒確定申告書の提出期限まで
(2)既に納期限の到来している国税
・一時に納付することができないと認められる国税
⇒損失を受けた日以後1年以内
{補足}
※納税の猶予を受けられる方は災害により全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた方。
※手続きとしては、「納税の猶予申請書」を所轄の税務署長に2カ月以内に申請する。
1、災害による損失や被災者に対する支援に関する法人税の取扱いについて
(1)災害により滅失・損壊した資産等
法人の有する商品、店舗、事務所等の資産が災害により被害を受けた場合に、その被災に伴い次のような損失又は費用が生じたときには、その損失又は費用の額は損金の額に算入される。
①商品や原材料等の棚卸資産、店舗や事務所等の固定資産などの資産が災害により滅失又は損壊した場合の損失
②損壊した資産の取壊し又は除去のための費用
③土砂その他の障害物の除去のための費用
(2)資産の評価損
法人の有する棚卸資産、固定資産又は一定の繰延資産につき災害による著しい損傷が生じたことにより、その時価が帳簿価額を下回ることとなった場合には、帳簿価額と時価との差額につき、損金経理をすることにより、損金の額に算入することができる。
(3)復旧のために支出する費用
法人が、災害により被害を受けた固定資産について支出する次のような費用に係る資本的支出と修繕費の区分について
①被災資産についてその現状回復するための費用は、修繕費となる。
②被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水又は土砂崩れの防止等のために支出する費用について、修繕費としているときは、処理が認められる。
③被災資産について支出する費用(①又は②に該当するものを除く)の額のうち、資本的支出か修繕費か明らかでないものがある場合、その金額の30%相当額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときは、この処理が認められる。
※詳しくは国税庁HPまで↓↓
https://www.nta.go.jp/
1、個人の納税者において期限が延長されるもの
①所得税・消費税の申告(中間申告を含む。)及び納付期限
②予定納税の納付期限・減額承認申請期限
③法定調書の提出期限
④源泉所得税の納付期限
⑤青色申告承認申請書の提出期限
⑥更正の請求期限 など
2、申告・納付等の期限の延長
・災害等の理由により申告・納付などをその期限までにできないときは、その理由のやんだ日から2カ月以内の範囲でその期限を延長することができる。
※災害のやんだ日とは? ①災害により直接被災した場合には、災害が引き続き発生するおそれがなくなり、その復旧に着手できる状態になった日 ②交通の途絶があった場合には、交通機関が運行を始めた日 |
(1)地域指定による期限の延長
・被災地域が都道府県全部又は一部の広域にわたる場合、国税庁長官が職権で地域及び期日を指定して、期限を延長する。
(2)個別指定による期限の延長
・地域以外に納税地を有する納税者に、被災による家屋等の損害等個別の理由がある場合、税務署長等がその納税者からの申請に基づき、個別に期限を延長する。
※個別指定による期限延長を受ける場合の「災害その他をやむを得ない理由とは?」 ①災害により納税者が家屋等に損害を受ける等の直接的な被害を受けたことにより申告等を行うことが困難 ②行方不明者の捜索活動、傷病者の救助活動などの緊急性を有する活動への対応が必要なことから申告等を行うことが困難 ③交通手段・通信手段の遮断や停電(計画停電を含む)などのライフラインの遮断により納税者又は関与税理士が申告等を行うことが困難 ④災害により①納税者から預かった帳簿書類の滅失又は②申告書作成に必要なデータの破損等の理由で、税理士が関与先納税者の申告等を行うことが困難 ⑤税務署における業務制限(計画停電を含む)により相談等を受けられないことから申告等を行うことが困難 |
3、納税の猶予
・災害により納税者が財産に相当の損失を受けた場合、納税者の申請に基づき税務署長等は、被害にあった財産の損失の状況及び当該財産の種類を勘案して期限を定めて納税を猶予することができる。
(1)損失を受けた日に納期限が到来していない国税
・損失を受けた日以後1年以内に納付すべき国税
⇒納期限から1年以内
・所得税の予定納税や法人税・消費税の中間申告分
⇒確定申告書の提出期限まで
(2)既に納期限の到来している国税
・一時に納付することができないと認められる国税
⇒損失を受けた日以後1年以内
4、所得税及び復興特別所得税軽減・免除
・災害により住宅や家財などに損害を受けた場合には、確定申告で①所得税法による雑損控除又は②災害減免法による所得税の軽減・免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の軽減・免除を受けられる場合がある。
●雑損控除の計算
①損失の金額-総所得金額等×10% ②災害関連支出の金額-5万円 ※損失の金額は、居住者又はその者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する資産について災害又は盗難若しくは横領による損失の金額である。 |
(1)雑損控除の適用対象となる資産とは?
・「居住者(納税者)の有する資産」と「その居住者と生計を一にする配偶者その他の親族で政令で定めるものの有する資産」とされている。
・この場合の「配偶者その他の親族」は、その年の総所得金額等が38万円以下であるものとされている。
(2)雑損控除の対象とされない資産
・「生活に通常必要でない資産」及び「被災事業用資産」は、対象から除かれている。
・「生活に通常必要でない資産」
①競走馬・その他射こう的行為の手段となる動産
②通常自己及び自己と生計を一にする親族が居住の用に供しない家屋で主として趣味、娯楽又は保養の用に供する目的で所有するもの、その他主として趣味、娯楽、保養又は観賞の目的で所有する資産。
③生活の用に供する動産でその譲渡による所得が非課税とされないもの
・「被災事業用資産」
①棚卸資産
②事業の用に供する固定資産
③繰延資産のうち、まだ必要経費に算入されていない部分
④山林
(3)災害減免法の適用要件
要件①⇒災害によって受けた住宅や家財の損失額(保険金、損害賠償金等により補てんされる金額を除く)がその時価の50%以上であること
要件②⇒災害にあった年の所得金額が1,000万円以下であること
要件③⇒その災害による損失について、雑損控除の適用を受けないこと
※災害減免法と雑損控除は重複して適用を受けることができないが、確定申告で雑損控除の適用を受けていても、更正の請求により災害減免法へ変更することができる。
・上記、要件①・②・③のいずれにも該当する時に適用をうけることができる。
●減免額
所得金額の合計額 |
軽減又は免除される所得税の額 |
---|---|
500万円以下 |
全額免除 |
500万円超750万円以下 |
50%軽減 |
750万円超1,000万円以下 |
25%軽減 |
上記の内容より、
⇒①所得税法による雑損控除又は②災害減免法による所得税の軽減・免除による方法のどちらか有利な方法を選ぶことによって、所得税の軽減・免除を受けられる。
※詳しくは、国税HPまで↓↓
https://www.nta.go.jp/